医療用ウィッグの助成金や補助金について
医療用ウィッグは健康保険や医療費控除(助成金)の適用となって購入できると考えられがちですが、原則的には適用の対象とはなっていません。
医療用ウィッグは「医療用」とはいいますが、治療のために直接活用するものではないからです。
しかし抗がん剤治療や放射線治療を行う場合には、脱毛を伴う治療になりますから、治療にのぞまれる多くの方は、医療用ウィッグを購入されることになります。
医療用ウィッグは、ファッション用のものとは違い、脱毛による状況の変化にも対応できるようになっていますので、治療中においてはとても重宝されるものです。
そのため多くの自治体では、医療用ウィッグを購入するための助成金を用意しています。購入費用の負担を軽減できたり、自己負担なく購入することができますから多くの方が助成金を利用されています。
ここでは医療用ウィッグの助成金について詳しくお伝えします。
このページの目次
1、医療用ウィッグの助成金や補助金を支給してくれる自治体がある!?
昔は不治の病として恐れられた「癌」も、抗がん剤治療や放射線治療によって治る可能性の高い病気となりました。
ただしこれらの治療法は、その副作用として脱毛を伴うものになりますから、病と闘う患者様は病気に対する治療だけではなく、脱毛に対する精神的負担も大きなものになります。
また脱毛をカバーするための医療用ウィッグを購入するためには、商品によっては高額になることもあり、経済的な負担も相当なものになってしまいます。
そのような状況を少しでも軽減するために、補助金や助成金制度を設けて、治療に望まれる患者様の精神的・経済的負担を少しでも軽くなるように努めています。
その内容がどういうものなのか、お伝えしていきます。
1-1、医療用ウィッグの助成金ってなに?
抗がん剤治療や放射線治療は、脱毛によって治療に取り組む人の外見に大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。
脱毛による外見の変化は、精神的なショックも大きいことから、治療に対する意識や就労に対する意欲が低下してしまうことがあります。
そのため治療として認められていない医療用ウィッグの購入についても、精神的ケアの一環として、購入費用やその一部の助成に取り組む自治体が増えているのです。
例えば東京都港区のホームページを見てみると、「がん治療にともなう外見(アピアランス)ケアへの助成金制度を開始します」として、住民のなかで癌治療に取り組む人に対して広報活動を行いながら、助成金の支給を行っています。
東京都港区に住んでいる人で、がんと診断され治療を行っている人であれば、この助成金制度を活用して医療用ウィッグを購入することができます。
がん治療を受けていることを証明する書類と医療用ウィッグの領収書などを添付して申請を行えば、3万円または購入経費の7割のいずれか低い額の助成金を支給してもらうことができます。
がん治療で不安な気持ちを抱えている人に対してこのような助成金制度があることは、治療に対する意欲を高めることにもつながります。
1-2、なぜ医療用ウィッグで助成金(補助金)が受けられるの?
日本人の2人に1人はがんにかかるともいわれますから、珍しい病気ではなく、誰しもそのリスクがあるといえるのではないでしょうか。
がん治療で積極的に行われる抗がん剤治療や放射線治療は、脱毛伴う治療になりますから、治療に対する不安な気持ちだけではなく、脱毛に対する外見上の悩みを抱えることにもなります。
がん治療は副作用を伴うこともありますから、不安な気持ちでいっぱいなはずです。
それに加えて脱毛の副作用によって、外見上においても悩まなければならないことは、どれだけ病気を克服したいと考えている人にとっても、辛いものであることは間違いありません。
医療用ウィッグは、そんな外見上の変貌に対する悩みを軽減させるために活用するものです。癌治療に欠かせないものであるといえるのです。
ただし治療に活用するものではありませんので、保険適用で購入することや、 医療費控除受けることは原則的にできないことになっています。
しかしそれでは、がん治療に向かう気持ちを高めることなどできず、 逆に意欲を低下させてしまうことがあります。
そのため自治体の取り組みとして、 助成金(補助金)制度を導入し、購入費用の一部を助成しているのです。
2、医療用ウィッグの助成金(補助金)を受けるために
各自治体で行われている医療用ウィッグの助成金(補助金)は、誰でも受けることができるというものではありません。その対象者が限定されており、条件にあった人のみ助成金を受けることができるようになっています。
各自治体で公表している対象者は、概ね共通しているといえます。
・その自治体の地域に在住している人
・がんと診断されて治療(抗がん剤治療や放射線治療など)を行っている人
・ 現在も治療中であること
また一部自治体によっては、所得や課税額を証明する書類を求められることがあり、所得によっては助成金を受けられないこともあります。
自治体に補助金を申請するタイミングとしては、購入日から期限を設けている自治体や購入日の属する年度中に申請しなければならない自治体もあります。そのため必ず自治体に申請期限については確認しておかねばなりません。
購入できるウィッグについては、 補助対象となっているものと限定している自治体や医療用ウィッグだけではなくファッション用ウィッグについても認めている自治体もあります。
助成金を受けるために必要になる書類は概ね次の通りです。
・各自治体が用意している医療用ウィッグ購入費助成金交付申請書
・がんの治療を受けていることを証明する書類
・医療用ウィッグを購入した金額の明細がわかる書類
また同時に運転免許証や健康保険証など本人確認書類を求められることがあり、助成金については振り込みされることが多いので振込先口座を確認されることがあります。
詳細については必ず各自治体に直接電話連絡などで確認するか、ホームページで確認するようにしてください。
3、医療用ウィッグの助成金を整備している自治体は?
医療用ウィッグの助成金を整理している自治体は、少しずつ増えている状況ではありますが、まだまだ多くの人のニーズを満たせていない状況であるように思います。
2019年5月に確認した時点ではつぎの自治体が補助金として助成金を整備しています。
ただしもともと整備されていない自治体であるとしても、年度によって新たに整理されることもあります。また整備されている自治体でも何らかの事情で、廃止になる可能性もあります。
必ず自治体のホームページを確認するようにしておいてください。
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