医療用ウィッグに使用される人毛とは?特徴、お手入れについて
せっかく医療用ウィッグを使用するなら、単に脱毛を隠すためだけに使用するのではもったいないものです。
ご自身の元々の髪のような自然なヘアスタイルに見られること、これまでできなかったヘアスタイルを楽しめることなどウィッグならではの楽しみ方ができるか否かも、ぜひ重視してください。
満足のいくスタイルを手に入れるために注意したいポイントが医療用ウィッグに使用されている毛の種類です。ウィッグに使用される毛髪には、人毛と人工毛の二種類があり、それぞれ特徴が異なります。
今回は高品質な医療用ウィッグには不可欠な人毛に関する解説を中心に、人工毛(合成繊維)やミックス毛の医療用ウィッグの特徴や手入れの方法などについて解説します。
このページの目次
1、医療用ウィッグに使用される人毛のメリットとデメリット
人毛とは、その名前の通り人の髪を使って作られたウィッグ用の毛髪のことです。
ウィッグ用の毛髪としては、他に合成繊維で人工的に作られた人工毛があります。ウィッグに使用されている毛の違いによって、スタイルの雰囲気や手入れなどにも影響しますので、概要やメリット、デメリットについて解説します。
・人毛とは
医療用ウィッグに使用される人毛とは、人の髪に特殊加工を施したものです。医療用ウィッグは1年半から2年間ほど利用するので、長期使用に耐えられるように作られています。
人毛を使用した医療用ウィッグは、自然な髪の雰囲気に近く周囲からウィッグだとバレにくいという特徴があります。また、さまざまな品質のものがありますが、一般的に人工毛よりも高価になる傾向があります。
・人毛のメリット
人毛のメリットは以下の通りです。
・見た目や手触りが自然で、周囲からウィッグだとバレにくい
・カラーリングやパーマをすることができる
・ドライヤーやコテなどでスタイリングを楽しむことができる
人の髪から作られているので、自分の髪のように楽しめるというところが大きなメリットとなっています。
・人毛のデメリット
しかしながら、人毛にもデメリットはあります。使い方などにもよりますが、主なデメリットは以下の通りです。
・元々の髪の質によって品質が左右される
・スタイリングが崩れやすい
・シャンプーなどマメなお手入れが必要
元々、人それぞれ髪質が異なるので医療用ウィッグの人毛に関しても商品によって質感や太さ、手触りなどは異なります。高品質なもの、ご自身にとって違和感のないものを選ぶことが大切になります。
・レミーヘアとバージンヘア
人毛の中でも、特に高品質で自然な状態に近いものとしてレミーヘアとバージンヘアがあります。
それぞれの特徴を紹介します。
・レミーヘア
人の髪をカットして、毛先と根元を元のまま並べ、キューティクルを残した状態の髪のことをレミーヘアといいます。最高級の人毛として重宝されています。
・バージンヘア
レミーヘアの中でも、一度も髪を染めたり脱色したりしていない髪のことをバージンヘアと言います。受けたダメージが少ないので、人毛の中でも特にしなやかで健康的な髪として世界的に非常に貴重です。
医療用ウィッグシルフィは、ハイグレードタイプ、スーパーハイグレードタイプの2つのプランで、バージンヘアを用いています。
・人毛の産地
医療用ウィッグに使用される人毛の産地として、高級な医療用ウィッグの大半は中国産の人毛が使用されています。
日本人の髪質に近く、クセが少なくてストレートだからです。
インドやミャンマーなどの人毛もあり、中国産の人毛よりは安価ですが、クセがありカールが出やすいという特徴があります。これらの人毛は、パーマ用などファッション性の高いウィッグに使用されるケースが多いのが特徴です。
2、医療用ウィッグの人工毛とミックス毛とは?
医療用ウィッグに使われる毛髪は、人毛の他に人工毛とミックス毛とがあります。 それぞれの特徴について簡単に記載します。
・人工毛の特徴とは
人工毛は、ポリエステル系の合成繊維から作られています。人毛と比較すると、価格帯が安いものが多く、ファッションウィッグは人工毛で作られています。
人工毛には主に以下のメリットがあります。
・スタイルを維持しやすい
・手入れが楽
・色褪せにくい
一方、主なデメリットとしては以下のポイントがあります。
・ウィッグ特有のテカリが生じやすい
・パーマやカラーリングができない
・専用のシャンプーが必要
しかし、人工毛と一口に言っても品質や特徴はマチマチです。
どのような素材の人工毛が使用されているかによって使用感は違ってきます。
・ミックス毛の特徴とは
ミックス毛は、人毛と人工毛をミックスしたウィッグのことです。
人毛100%の医療用ウィッグは、自然な仕上がりになりますがスタイリングしづらく手間がとてもかかってしまう場合があります。人工毛100%のウィッグは、スタイリングしやすい反面、自然な本来の髪という点では人毛にどうしても劣ってしまいます。
それらのメリットとデメリットをちょうどミックスしたのがミックス毛です。
当サイトの医療用ウィッグシルフィは、人毛と高級耐熱毛の人工毛をミックスして、他店のどこにも負けない自然さを再現しています。
3、人毛に必要な手入れについて
長期間に渡って品質を維持しながら医療用ウィッグを使用し続けるためには、日ごろのケアも大切です。 ここでは、人毛に必要なケアについて解説します。
・日々のブラッシング、シャンプーについて
医療用ウィッグがほつれてしまったり、汚れや頭皮からの皮脂などによって劣化したりしないためには、日ごろのブラッシングやシャンプーが大切です。
基本的に、ブラッシングは着脱の前後、シャンプーやトリートメントは数日に一度のスパンで行います。
人毛ウィッグの場合に、市販のシャンプーが使用できるか否かについてはウィッグの商品によって異なるケースがあるのでカタログやホームページなどで必ず確認するようにしましょう。例えば、人毛ウィッグの場合でもノンシリコンシャンプーの使用はNGとされているケースなどがあります。
また、洗浄力の強いシャンプーやトリートメントがウィッグの劣化を招くケースもあるので、人毛だから市販のシャンプーがどれでも使用できるというわけではありません。
さらに、髪のかわかし方やドライヤーの使い方をチェックするのを忘れないようにも注意しましょう。
・退色とカラーリング
人毛ウィッグのケアに関する注意点の一つに退色もあります。
人毛のウィッグを長く使用しているうち、だんだんと髪が色あせてきて明るく色が飛んでしまうことです。人毛100%の医療用ウィッグの場合、カラーリングをすることで退色のケアをすることができます。
ただし、注意したいのがカラーリングを繰り返すことで髪にダメージを与えかねないことです。
特に、価格の安い人毛の場合にはダメージに弱いことが多いため、カラーリングを繰り返したり刺激の強いカラーリング剤を使用したりした際に髪の品質が大きく劣化してしまうことがあります。
せっかくの自然に近い仕上がりの人毛の医療用ウィッグが台無しになってしまいますので、こちらもカタログやホームページなどであらかじめケア方法を確認しておきましょう。
4、まとめ
今回は、医療用ウィッグに使用される毛髪のうち人毛について詳しく紹介しました。また、人毛の特徴をイメージしていただきやすくするために人工毛やミックス毛の特徴についても解説しています。
人の毛髪から作られている人毛の医療用ウィッグを使用した場合、やはり自然な髪に近い仕上がりになります。しかしながら、人それぞれ髪質が異なるのと同じで、商品によって人毛の質もマチマチです。最近では人工毛の品質も上がっていて、スタイリングのしやすさなども踏まえてミックス毛の人気が高まっているという状況でもあります。
また、人毛ウィッグにせよ人工毛の医療用ウィッグにせよ、長く品質を維持したまま使用するためには日ごろのお手入れが不可欠です。ブラッシングやシャンプーなどのケアを大切にするとともに、メンテナンスやカットのサービスなどが充実したアンベリールで購入していただければ、長く安心して医療用ウィッグを使い続けていただくことができます。