耐熱性のある医療用ウィッグについて

医療用ウィッグのお手入れ・ヘアアレンジのしやすさは耐熱性が大きく関係しています。
耐熱性が弱いと、ドライヤーやヘアアイロンなど熱を加えたときに髪の毛が傷んでしまったり、ウィッグの耐久性が落ちて機能の面で劣化してしまったりと大変です。
でも、耐熱性のある医療用ウィッグと非耐熱ウィッグではどのような違いがあるのでしょうか?
医療用ウィッグの耐熱性はどのように見分ける事が出来るのでしょうか?
この記事では医療用ウィッグの「耐熱」について多くの方が疑問に思っておられる情報をご紹介したいと思います。
耐熱と非耐熱の違いについて
耐熱性のあるウィッグ
耐熱性のある医療用ウィッグは普段のヘアケアと変わらず、アイロンやドライヤー、コテなど通常通り使用する事が出来ます。
そのため、髪の毛をカールやストレートにしたい場合でも簡単にイメージ通りヘアアレンジする事が出来、お手入れも簡単です。
ウィッグをシャンプーで洗って乾かすときにも、耐熱性のある医療用ウィッグは普通にドライヤーを使って乾燥させることが出来るので、シャンプー後すぐに着用する事が可能です。
耐熱の医療用ウィッグは熱が加えられても髪の毛に悪い影響を与えないように特別なコーティングが1本1本施されています。
このコーティングによって、耐熱の面で安心して利用できるだけでなく、くし通りが良く、髪が絡まりにくいというメリットもあります。
一方で、非耐熱と比べて耐熱の医療用ウィッグはお値段がお高めであるというデメリットもあります。
非耐熱のウィッグ
非耐熱のウィッグはアイロンやドライヤー、コテなどを使用する事が出来ません。もし使用してしまうと、髪の毛が傷んでパサパサになったり、ウィッグが型崩れを起こして不自然な見た目になってしまったりとウィッグとして機能を果たせなくなってしまいます。
熱が加わったことによる髪の毛の痛みは修復も困難なため、非耐熱ウィッグを使用されている方は絶対にアイロンやドライヤーなど使わないように気を付ける必要があります。
さらに、非耐熱のウィッグはシャンプーで洗った後、ドライヤーの冷風機能を使っての乾燥が必要になります。
そのため、通常のドライヤー乾燥と比べると乾きにくく、冷風機能付きのドライヤーを持っておられない方は自然乾燥となるので、乾くまで着用出来ないというデメリットもあります。
一方で、非耐熱ウィッグは耐熱ウィッグと比べてお値段が安く、お手頃価格というメリットがあります。
どちらもメリット・デメリットがありますが、ウィッグの使いやすさ・機能性を重視されるのでしたら、耐熱性の高いウィッグを選ばれることをお勧めいたします。耐熱性有無の見分け方について
人毛・人工毛かを確認する
耐熱性はウィッグの髪の毛が人毛・人工毛のどちらを使用しているかで見分ける事が出来る場合があります。
人毛を100%使用しているウィッグは、髪の毛本来の機能として耐熱性が備わっており、自毛と同じようにウィッグをお手入れする事が可能です。
一方で、人工毛を使用している場合はアクリル系の素材を使って人工的に作られているので、耐熱コーティングが施されていないウィッグは耐熱性がなく、アイロンやドライヤー、コテなどを使用する事は出来ません。
しかし、人工毛の中でも耐熱コーティングが施されているものがあるため、購入前によく確認しておくのは賢明です。
メーカーを確認する
医療用ウィッグを販売しているメーカーを確認して、耐熱性があるかどうか判断するという方法もあります。
メーカーによっては全ての医療用ウィッグに耐熱コーティングを施して、「〇〇度までの熱に耐えられます」と紹介されている場合があるからです。耐熱性のある医療用ウィッグしか購入を考えていないのであれば、「全品耐熱」を実施しているメーカーから選ぶ事もオススメです。
アンベリールの医療用ウィッグは全商品130度までの熱に耐えられるよう耐熱コーティングを施していますので、アイロンやドライヤー、コテなどご自由にお使いいただくことが出来ます。
スタッフに尋ねる
購入を検討もしくはされている医療用ウィッグに耐熱性があるか、どうしても分からない場合は直接ウィッグ専門店のスタッフに尋ねたり、医療用ウィッグメーカーの公式のサイトからメールや電話でお問い合わせをすることがオススメです。
ウィッグに関する専門的な知識や技術を持っている人は、ウィッグの見た目だけで耐熱性の有無を認識出来る場合もあるので気軽に相談してみてください。
ドライヤーの使用について
医療用ウィッグをシャンプーした後は、しっかりとドライヤーで乾かす必要があります。
でも、「着用したまま乾かしてもいいの?」「どの程度乾かすのが丁度いいの?」など、多くの疑問が生じてくるかもしれません。
医療用ウィッグは耐熱性が弱いものもあり、ドライヤーの使用に関してウィッグならではの乾かし方や注意事項、抑えておきたいポイントなどたくさんの知識が必要です。
正しいドライヤーの使用を心がける事によって、医療用ウィッグのツヤを維持し、美しい質の良い状態を保つことが出来ます。
ドライヤーの手順
(1)準備をする
ウィッグをドライヤーで乾かすときに必要な道具として、以下のものが挙げられます。
・ドライヤー
・くし
・トリートメント(オイルタイプ)
・ウィッグ台
トリートメントはコンディショナーの事ではなく、髪の保湿を保つためにシャンプー後使用する洗い流さないタイプのものです。
トリートメントを使用しないと、ドライヤーで乾かした時に髪の毛に必要な水分まで奪われ、パサパサとした見た目になってしまうので必ず用意するように致しましょう。
シャンプー後タオルでザっと拭く
シャンプーが終わったら、まず大きめのタオルでザっと水気を拭き取ります。
髪の毛から水がポタポタと垂れない程度にしっかりと拭きましょう。
この時、髪の毛どうしが絡まったりカールが取れたりしてしまわないようにゴシゴシと擦って拭くのではなく、タオルをウィッグを挟むようにして包み押さえると、髪の毛にダメージを与えず拭き取る事が出来るのでオススメです。
トリートメントを馴染ませる
トリートメントはまだ髪の毛が濡れている間に、1~2プッシュ程毛先を中心に馴染ませていきます。
トリートメントを馴染ませる事で、髪の毛の水分を閉じ込めることが出来、髪の毛の潤いに必要な水分まで蒸発させてしまうのを防ぐことが出来ます。1~2プッシュが目安ですが、髪の毛の長さによってご自分で調節してください。
トリートメントをつけすぎてしまうと髪の毛がべたついてしまう可能性もあるので注意が必要です。
ウィッグの裏側から乾かす
まず、ウィッグの中で一番乾きにくい内側から乾かしていきます。
医療用ウィッグを裏返しにして置き、ネット全体に少し離れた位置(40センチ離す)から温風をじっくりと当てます。
ウィッグの裏側は少しでも濡れた状態になっていると、保管・着用の時もあまり外の空気と触れず乾きにくい部分ですので、カビが生えてしまったり半乾きのような独特の香りを発生してしまったりする可能性があります。
時々手で乾き具合を確認しながら、ドライヤーで乾かすように致しましょう。
髪の毛を乾かす 髪の毛を乾かすときに、ウィッグスタンドやウィッグ台があれば乾かしやすいのでおすすめです。
髪にドライヤーをあてる時は、近くから温風をあてるのではなく、なるべく遠くからあてて時間をかけて乾かす事で髪の毛へのダメージを減らすことが出来ます。
カールスタイルのウィッグの場合は、温風で乾かしてしまうとカールがとれてしまうので、冷風を使って乾かすようにしましょう。
乾かすときのポイントとしては、乾きにくい根元の方から温風をあてていくことが挙げられます。根元の方は髪の毛が密集して、重なっているので手で時々重なりを解消させながら乾かしていく事がオススメです。
ドライヤーで乾かすときの注意事項
・一カ所にあて続けない 医療用ウィッグは耐熱性があったとしても、高温をあて続けてしまうと熱によるダメージを受け、ウィッグが傷んでしまう可能性があります。ドライヤーを使用するときは、なるべく遠くから風をあてることと、一カ所にあて続けないことが大切です。
・乾燥後は正しい保管を!
上手に乾かせても、その後の保管方法によってはスタイルが崩れたり、湿気によってカビが生えたりと注意が必要です。
通気性の良い場所で、ヘアスタイルが崩れないようにキレイにウィッグ台に乗せて保管するようにしましょう。
・乾燥後にはブラッシングを行う
最後に仕上げとしてブラッシングを行うことで、シャンプーやドライヤーによる髪の毛の絡みをほどき、ウィッグを最善の状態でキープする事が出来ます。
カールが施されているウィッグの場合は、シャンプーの際にカールが取れてしまうという事もあるので簡単にヘアアイロンなどで手直しする事もおすすめです。
ウィッグの洗髪からドライヤーで乾かすこの作業は慣れないうちは結構時間がかかってしまうため、予め時間を取り分けて予定しておくと良いかもしれませんね。
まとめ
耐熱性のある医療用ウィッグと非耐熱のウィッグとでは、日々のお手入れやヘアアレンジの方法が大きく異なります。
耐熱性のある医療用ウィッグは普段と変わらずドライヤーやアイロン、コテを利用する事が出来ますが、非耐熱ウィッグはシャンプー後乾かすときにもドライヤーの冷風機能を使ったりと少しお手入れに手間がかかってしまいます。
しかし、それぞれにメリット・デメリットがあり、医療用ウィッグを購入される時には、後悔しないウィッグを選ぶ事が出来るように、あらかじめ確認しておくことが大切です。